• 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第50話】BYスタッフE

    クリニャンクールの問屋さんでの買い付け時間は、午前中で終了しないといけなかった。しかしこんなに膨大な材料を全て見るには1日あっても足りない。午後からどうしても行かないといけないアポイントメントがあったので、相方にはとても酷だったが、選択と集中をしてもらうことにした。凄い集中力で材料の箱を眺めて、この箱とこの箱というように選んでいく。相方の資材に対するアンテナは高く、自分の好みのビーズをどんどん選んでいく。僕は時計とにらめっこして、後30分だよと声を掛ける。そして午後になり、タイムリミットとなった。お会計の準備をしてもらう間、相方はまだ他の材料を見ている、、。今回は、この予定でしか動けなかったのだから、次回はここをメインで日程を組んで来ようねと相方をなだめる。

    次に僕たちが向かったのは、オペラ界隈にあるクロネコヤマトパリ支店だ。今回は、既に100キロ近い資材を日本に運ばなくてはいけなかった。僕にはそれが気がかりでならなかったので、どの送付方法がベストなのか、送料のみならず、税金面や安全性の問題を解決しておきたかったのだ。そこで送付方法として候補に上がったのが、クロネコヤマトだった。パリオフィスには日本人のスタッフの方がいて、色々と相談に乗ってもらえる。僕たちは事前に状況を話していたので、担当者の方とスムーズに相談ができた。そして、色々検討した結果(ヤマトの方にもアドバイス頂いた結果)、フランスの郵便局を利用することに決めた。日本に資材を送るにあたっては、関税の問題もあるので、フランスから日本の税関に電話をして、郵送時の注意や、帰国後の関税手続きのことを確認した。僕は、こういった電話をする際、必ずお答え頂いた方のお名前を伺っておく。後で、これは違うと言われた時に、〇〇さんからご指示頂いた通りにしたと言えるからだ。

    さて、送る方法もきまり、早速郵便局へ。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第42話】BYスタッフE

    無事に会食も終わり、いよいよ帰宅することになった。時計の針は既に12時をまわっていた。帰り際も、皆さんそれぞれ名残惜しそうに立ち話をし、「必ずまた会いましょうね!」と僕たちにも声をかけて頂き、熱く抱擁をして下さった。

    海外経験の少ない僕にとっては、初めてのハグやビズ(頰にキスをする習慣)だった。僕はビジネスの時でも相手と握手をしない。鍋の直箸なんかは絶対に無理!な、潔癖症なところがあるのが、この夜のハグやビズはされるがままで、僕は嫌な気持ちなどせず、不思議と感謝や高揚感で一杯だった。

    お別れの挨拶をして、僕達はその夜の招待客の一人の女性に、パリ市内のタクシーが拾えるところまで車で送ってもらえることになった。胸を撫で下ろしたのもつかの間、皆さん結構お酒を呑んでいる、、。彼女も例に漏れず結構呑んでいる、、。フランスは日本ほど飲酒運転に対して厳しくはないらしい。ワインをグラスに1−2杯なら運転しても問題ないようだ。日本なら絶対に同乗者の僕たちもアウトだ、、。コップに水を注ぎ、数杯飲み干して、「さあ、行きましょうか!」と僕たちに声をかけてきた。そして僕は運を天(彼女)に任せた、、。

    次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第40話】BYスタッフE

    会食も盛り上がり、時計の針はどんどん0時に近づいていく。もう、このままお泊まりをさせて頂くことも考え出した頃、デザイートがでてきた。チョコレートアイスにイチジクのコンポートが添えてあった。本当に料理の一つ一つに手がかけられおり、見た目も美しい。このイチジクは庭にあるイチジクの木になってたものだよと言われた。なるほど、小ぶりだがしかりした味で、僕は正直、普段そんなにフルーツを食べないが、これは本当に美味しかった。

    腹も膨れたので、招待客の一人が連れてきていた犬と遊ぶことにした。僕の実家にも秋田犬がいて、犬はやっぱり可愛いなと思った。僕の実家の犬は、おやつをあげる時と散歩に出かける時以外は一切無視だ。しかしこの子はとても人懐っこい。フランスは愛犬家が多く、カフェや友人宅に連れて行く人も多い様だ。

    犬と遊んでいると、ご主人に呼び戻される。一緒に飲もうじゃないかと誘って頂いた。ご主人が僕に質問をする。「フランスに来た印象はどうか?」僕はまだフランスに来て3日目だったが、印象をこう答えた。「フランス(パリ)の人達はとても親切で面倒見が良い反面、凄くイライラしている人も多い様に思うが、それは何故なんでしょうか?」すると帰ってきた返事が、「イライラしているのは気候のせいじゃないか?」。「え?気候ですか?」通訳してくれていた相方も聞き返していた。僕はすかさずこう答えた。「それは大いにあるでしょう!」。ともあれ、郷に入りては郷に従えだ。そしてご主人が、皆んなに「ビールにする??ワインにする??」と聞き、巨大な冷蔵庫からビールとワインを取り出してきた、、。振り出しに戻ったのだろうか、、。次回に続く、、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第23話】BYスタッフE

    何とか初日の仕入れを済ませ、無事に滞在先に帰宅した。パリに来てまだ1日目だが、既にクタクタだ、、。しかし、不思議なものだが、海外に訪れているとは言え、滞在先周辺まで帰ってくると、非常に安堵感が沸いてくる。今回僕たちが滞在先として選んだのは、短期滞在者向けのステュディオで、日本から申し込んでいた。ベッドルームに、小さなキッチン、トイレ、バスシャワー、洗濯機など、生活に必要なものが一通り揃っている。僕は、フランスは全くの初めてなので、フランスのホテルがどんな感じなのかは分からないが、僕はこの小さなステュディオが、この界隈を含め、気に入った。一階には、ポールダンススクールが入った建物の2階にあるステュディオだ。これも相方の見立てで、ビーズや材料を買い付けた時に重くなるであろう荷物の持ち運びがし易いように、エレベーター付きか、エレベーター無しなら2階迄との条件で探したのだ。スーパーや、郵便局が近くにあることも下調べで分かっていた(筈が、郵便局は見当違いだったのだが、、)。そして、今日一日の出来事を振り返りながら、ワインを呑んで相方が用意してくれた食事を食べ終わった瞬間、一瞬で眠りに落ちた、、。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第22話】BYスタッフE

    フランスの運転事情を目の当たりにし、やっと滞在先の建物の前に到着。パリは路面駐車が多い。狭い路地脇にも、ぎっしり路駐車が、、。運転手はその路駐車の横に、道を遮るように駐車した。そして支払い時に、運転手が要求した代金以外に、相方が少しチップを渡した。最初からチップを加算して請求くる運転手もいたが、この運転手は決してそんなことはせず、目的地目指して、一生懸命(他の運転手に対して暴言を吐きながらだったが、、)運転してくれたので、相方は気持ちよくチップを支払ったのだ。そして、やはり車から降りると、この運転手も優しいフランス紳士に戻り、後ろのトランクに積んだ、とてつもなく重い荷物を降ろしてくれた。僕はフランス語が話せないので、メルシーとだけ言って、両手を合わせた。運転手は、僕の肩をトントンと叩いた。またね!と言わんばかりに、、。そして、また凄い勢いで走り去っていった。

    フランス(パリ)の昼間の運転手はこういう感じだった。そして、僕たちが体験した、深夜のタクシー運転手の話は、また後々書こうと思う。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第17話】BYスタッフE

    いよいよ相方の知人宅へ。相方はとその知人は、久しぶりの再会に興奮気味で、暫く立ち話をしてから(僕はその間ずっと笑顔を作ることに徹していた)、僕に気遣って、今度は簡単な英語やジェスチャーで話してくれた。優しく、親切な方だ。そして、さっきカフェで目にした道行くパリジャン達と同様、薄手のジャンバーに足元は素足にサンダルといういでたちも、もう見慣れてきて僕には全く違和感無く感じた。

    この知人は、相方が20代の時から交流があった刺繍家の古くからの友人で、相方は、20代の初め頃、この方に一度だけ会った事があったが、それ以来20年近く会っていなかった。ところが、2年前にその刺繍家の友人を通して再会している。そしてその刺繍家の方は1年前に病で亡くなられたのだ。何だか、その刺繍家の方が私たちをもう一度引き合わせてくれた様だね、、と、相方とその知人は話していたらしい。そういう事があるんだな、、。何か目に見えない力が働いて導かれたように僕には感じた。生前の繋がり方や関わり方、相手を思う気持ちがこう言う形になって現れるのかもしれない。少なくとも僕たちは、その縁に導かれてここまでやった来たのだから、、。ともあれ、大切な人に、こうしてちゃんと会えたのだから、僕は一安心した。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第16話】BYスタッフE

    6番線で目的地に到着。今回の仕入れ旅行で重要なアポイントの一つだ。向かったのは相方の知人宅なのだが、僕自身、フランスの目上の方とあまり接することが無く、緊張していた。僕は、待ち合わせ時間よりも早く目的地に到着したいほうなので、今回もやはり1時間以上前に到着。相方とカフェに入る。12区は、住宅街という印象で、観光客は殆どいない。9月末のパリの気温は思っていたより肌寒く、相方は薄手のコートを、僕は薄いダウンを羽織っていた。カフェのテラス席で道行く人を見ていると、僕たちのようにコートを羽織って、ブーツを履いている人もいれば、半袖に素足でサンダル姿の人もいて、だれが標準なのか、全くわからない状態だ。僕には分からないが、相方は、フランスに来たって感じがする、、と言っていた。テラス席でダウンを羽織ったまま、氷の入ったコーラを一気飲みする僕を見て、相方は、この人もある意味カオスだと思ったらしい、、。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第15話】BYスタッフE

    前回の、パリの地下鉄での話からの続きで、今日は6番線に乗り、12区を目指す。6番線はパリの地下鉄の中でも珍しく、地上を走る線だ。パリ左岸の住宅街が見渡せる。そして乗車駅から数駅すると、なんと、エッフェル塔も見えるではないか!(後で調べたところ、メトロ6番線のPassy駅〜Bir-Hakim駅を走行中に見られるようだ)車窓からの初エッフェルも乙ではないか、、得した気持ちになれた。そしてこの線は観光客が少なく、学生が多い印象だ。フランスの学生は、特に女性は着飾っているわけではないが、何だかとても大人びている。

    相方いわく、パリの地下鉄は路線によっては気をつけて乗車しないといけない路線もあるようだが、6番線は比較的安全ではないかと感じた。電車の中にポールが立っており、360度、どこからでもポールをつかめる様になっている。何とも合理的な仕様だ。相方が以前、YouTubeでZAZというフランス人アーティストのPVを観ていて、そのアーティストが地下鉄の中でこのポールを使って、ポールダンスみたいに踊りだしたのを思い出した。僕なら、このポールで筋トレが出来ないものかと考えていただろう、、。

    パリの地下鉄事情を、まだ何も知らない僕は、半分観光気分で外の景色を楽しみながら乗車していた。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第14話】BYスタッフE

    前回のブログで書いた様に、フランスの地下鉄で無賃乗車の光景を目の当たりにし、少々凹んでしまったが、そう凹んでもいられない、、今日は大切な材料を見に行くアポイントがある日だ!!でも、地下鉄でのカルチャーギャップはまだあった、、。とにかくフランスの電車は、手動で行うことが多い。下車したい駅に着いても、扉は勝手に開いてはくれない。自分でレバーを持ち上げて扉を開けなくてはならない。そして閉まるときは容赦なく自動で閉まる。しかも、下車したい駅が工事中で、この駅には止まりません、、というアナウンスが、まさにその駅を通過中に流れる。一駅前で言っといてくれなあかんやろー!!と、思わず突っ込んでしまった。そして、時刻表なるものは無い。大体3−4分間隔で電車は来る。そして、この間隔は長くなったり、短かったり、その時々で変わる。それに加えて、ストライキなどで、いきなり今からもう運転しません、、となる。

    フランス人が、約束の時間より30分くらい遅れてくるのは当たり前という常識が、ここで生活してみてそうならざるを得ないことが分かった。時間通りに行動するのは至難の技だ。日本のビジネスシーンなら(ビジネスシーンに限らずとも)、時間に遅れる=社会人失格である。しかし、これは地下鉄一つを取ってもそうだが、日本のように、全てが時間通りに回っている社会だからこそ実現できることだ。フランス人が強い訳がわかってきた、、。フランス人のケセラセラの精神は、きっと、なるようになるさ、、という、ここで生きている人たちの、諦めにも似た、強く生きたるわい!という意志の表れような気がした。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第13話】BYスタッフE

    本日の目的地はパリの東の方。目的地までは地下鉄に乗る。青から赤に突然変わる信号を渡り、人生初のフランスの地下鉄へ。観光地を通る線では、スリに気をつけるようにとのアナウンスが流れている。やはりそれだけスリ被害が多いということだ。気を引き締めて行こうと思っていた矢先、いきなり無賃乗車に遭遇する。フランスの地下鉄は、各駅ごとに駅員さんがいるわけではない。切符は自販機で購入(クレジットカードも使える)し、日本のように切符を改札に通して電車に乗車するが、僕が目撃した無賃乗車の男性は、切符を買わずに改札口を飛び越えて平然と入っていった。相方を含め、周りにいたフランス人もその光景に動じることはない、、。相方いわく、いつものことだそうだ。実際に、滞在中に何度も目撃する。そして、地下鉄での警察の検閲も何度も遭遇する。フランスの地下鉄は、改札に入るときだけ切符を機械に通し、出るときは切符を通さずに出られるが、こうした不正を防ぐため、警察の検閲があることがあるので、切符は改札を出るまで捨てずに持っておいたほうがよい。しかし、フランスの地下鉄は、僕には無法地帯のように感じた、、。次回に続く、、。