• 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第57話】BYスタッフE

    親切なアンティーク雑貨店のムッシューのおかげで大雨を凌ぐことができ、郵便局に向かって再出発した。郵便局までの残りの距離としては後10分程だが、予想していた以上に荷物が重たい重たい。僕はおよそ7キロ×2箱の14キロを持っていたのだが、筋トレのように重たいウェイトを短時間で上げ下げする時のようなバーンアウト感ではなく、ジワジワ締め付けてくるような痛みだ。なんとか郵便局に到着した時、ホームグランドの様な安堵感がした。というのも今日だけでこの郵便局に3回来ている。郵便局員さん達ともすっかり顔なじみになってしまった。雨で型崩れがした箱に、ガムテープをぐるぐる巻きに補強してくれた。そして、重量の測定もファクチュールもいつも「Parfait!(完璧)」だ。しかし、この郵便局の方達は本当に親切で助かった。僕は、少しでも何か出来ないかと思い、相方が出荷の手続きをしている間、床に落ちているゴミを全て拾ってゴミ箱に入れた。すると、周りにいたフランス人がびっくりした様な顔で僕を見ていた。たったそれだけのことだが、僕はお世話になったこの郵便局の方々に何かお返しがしたかった。そして「明日もまた来ます!」と言って郵便局を後にした。

    雨が上がった後の10月初旬のパリは、夕方5時を回ってもまだ明るく、さっきの雨が嘘のような晴れ間が広がった。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第56話】BYスタッフE

    雑貨店のオーナらしき年配の男性から雨が止むまで店内にいるように促され、僕達はお言葉に甘えてお店の中に入らせてもらった。ずぶ濡れの箱で店内が濡れてしまうのが気になったが、ムッシューは嫌な顔せず僕たちを受け入れてくれた。フランス語を話せない僕はとっさに「ありがとうございます。」と日本語で言ってお辞儀をしてしまった。するとムッシューが、「ジャポネ?(日本人?)」と聞いてきた。相方がムッシューに話を聞くと、ムッシューは以前(数十年前と推測する)日本で働いていたというのだ。島津製作所で技術者として働いていたそだ。今は引退して、このアンティーク雑貨店を経営されているそうだ。そういった経歴から、日本にご縁のある方で、僕が「ありがとうございます」とお辞儀をしたことで日本人だと分かったそうだ。物静かで、落ち着いた物腰のムッシューだ。店内は、品のあるヨーロッパのアンティーク雑貨とブランドものらしい古着もある。相方は興味津々で、しばらく店内を見させてもらった。この時の出会いは、僕にとって強く印象に残っている。あのムッシューにまた会いに行きたい、恩返しがしたいと、今もずっと思っている。20分程滞在させてもらい、雨が上がったので、ムッシューにお礼と、また必ず来ると告げ、お店を後にして急いで郵便局に向かった。次回に続く、、。

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    神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第55話】BYスタッフE

    郵便局が閉まる17時までにあと一往復をしておきたいので、相方に箱に詰める作業を急いでもらった。仕分けをしながらの梱包なので、僕は逆に手伝うことができないのが時間のロスだったが、僕はその分、少しでも腕を休めておこうと思った。

    万が一の紛失を考えて、貴重な素材は分散して入れておく事を相方に勧めた。というのも、ヴィンテージビーズの中でも、特に希少価値が高く、高価なのがメタルビーズらしい。これは、フランスの業者でもなかなか入手が困難らしく、そのわけを相方に聞くと、製造されていたのが1900年代前半迄だったそうで、その後は製造しなくなった為だそうだ。僕のような素人でも、相方がそのメタルビーズを使った作品を見たとき、メタルの質感と上品な色は今まで見たことがないと感じた。僕は、相方がこのメタルビーズで作った鳥のブローチが大好きだ。そんな訳で、こういうビーズは、またいつ出会えるか分からないので、可能な限りリスクは分散することが重要だ。

    貴重な素材を分散しながら、3箱分が詰め終わった。時計に目をやると、15:45頃だった。さっそく郵便局に向かった。しかしここで予期せぬ事態に。郵便局までの道すがら3分の1ほどの時点で、信じれないほどの大雨が降り出した。フランスではこうした通り雨が急に降る。2日前もそうだった。僕たちは箱に雨がかからないように、雑貨店の店先で立ち往生していた。水に濡れないようにその雑貨店のハザードで雨宿りをさせてもらう事にした。それでも箱は徐々に濡れていく。このままでは箱がずぶ濡れになる、引き返すべきか…と考えていた時、雑貨店のオーナーらしき年配の男性が店内に入れてくれ、雨が止むまで中で待っていなさいと言ってくれた。この時は本当に、【助かった!】と心から思った。僕達はこのムッシューの親切さに心から感謝しながら、雨が止むのを待った。

    次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第54話】BYスタッフE

    郵便局から一旦滞在先へ戻り、荷造りをする。ビーズは殆どがガラス製なので、かさの割に重量が重たい。Colissimo7kgの箱の3分の2程度で7kg近くになってしまう。相方が仕分けをしながら箱に詰めていく。時々箱の重さを測る為、スーツケースの重量を量るスケールで、箱の重さを測る。相方の詰めた箱はすべてが7kgギリギリで詰められていた。郵便局で100g位はオーバーしても大丈夫(これは郵便局員一人一人の感覚なので、1gでもオーバーしてはダメな場合もあるのでご注意頂きたい)と言われたが、僕は結構きっちりルールを守る方なので、650g前後で詰めるようにしようと相方に提案した。最初の3箱が詰め終わり、僕が2箱、相方が一箱を持ってさっきの郵便局に運ぶ。詰めては出しに行く、を繰り返すことにした。重いColissimoの箱を持っての移動は結構きつい。郵便局までの距離がさっきの2倍ほどに感じた。郵便局に戻ると、さっきの受付のお姉さんがにこやかに対応してくれた。3個分の重さを測って、Factureを見せて、「Parfait!(完璧!)」と言ってくれた。ほっとしたのもつかの間、相方がまた後で来ますと言って、僕たちは郵便局を後にした。この時点で午後3時を回っていた。明日中に終わらせないと日程が足りないことを考えると、今日あともう一往復はしたいと考えながら戻った。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第53話】BYスタッフE

    クロノポストの親切な配達員さんのおかげで、無事に郵便局に到着した。事前に調べていた、滞在先から一番近い郵便局は閉鎖されていた為、こちらの郵便局に変更したが、こちらの方が規模が大きく、結果として良かった。

    先ず郵便局でしないといけないことは、列に並ぶこと。受付のお姉さんがおり、郵便物を出す人はすべてここに並ばなくてはいけない様だ。相方の番になり、お姉さんは、一瞬怪訝そうな顔をした。言葉が通じない外国人が来たわ、、と言う感じだった。相方がフランス語で話し出した瞬間、お姉さんの表情が変わり、にこやかになった。お姉さんから、この郵便局の局長的なポジションであろう男性局員に紹介され、別室に案内された。この男性局員が、懇切丁寧に対応してくれた。海外への荷物を送る方法としては、Chronopost(クロノポスト)、そしてColissimo(コリッシモ)の2種類がある。Chronopostは保険が付いていて、その分送料が高価だ。今回、局員さんが勧めてくれたのがColissimoだ。相方も今までに何度もこれを利用していたらしいが、保険は付いていないが、追跡機能がある。今回もこのColissimoを利用することにした。一番大きいサイズで7kgまで入れることができる。一枚あたり送料込みで55ユーロだったと思う。これに7kgまで荷物を詰めて郵便局から出せるのだ。気をつけなくてはいけないのは、フランスから、日本の自分宛に荷物を送る場合、送付先は自分の住所で良いが、発送元の住所がいる。有難いことに、フランスに住む相方の友人が、発送元の住所や名前を書いていいと言ってくれたので、本当に助かった。フランスにお知り合いがない場合は、滞在先のホテルなどに確認して記入するのも良いと思う。それと、送り状の他に、必ずFacture(ファクチュール)を付けなければいけない。これは、内容物の詳細と価格を明記(フランス語又は英語で)するのだ。この表記は適当に書いてはいけない。日本の税関で荷物を開けられた時に、内容物と一致していないと違反になる。因みにこのColissimo、10枚を一度に購入すると10%程値引きしてくれる。これは相方も今回初めて知った様だ。しかし、こんなに沢山のColissimoの在庫を常時置いている郵便局はそんなに無いのかもしれない。結果この郵便局に来られて良かったと思った。

    次回も引き続き、Colissimoを郵便局へ運ぶお話を。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第52話】BYスタッフE

    パリに来て、予定の滞在日数の半分が過ぎた。フランスを訪れてから入手した素材を日本へ送る為、今日は朝から郵便局に向かうことにした。郵便局の所在は事前に調べており、滞在先から徒歩で3分くらいのところにあるはずだった。ところが、この郵便局は閉鎖されていた。いきなりハプニング発生。そこに偶然Chronopost(クロノポスト:フランスのLa Postが運営するフランス国内外への宅配便サービス)の車が止まっていた。運転手のお兄さんに、最寄の郵便局の所在を相方が確認する。ここからまっすぐ行って左に曲がって、またまっすぐ行って、その次の信号を右に、、。親身になって教えてくれた。何度もお礼を言って、直ぐに出発した。途中大通りに出て、この行き方であっているのか不安になったところで、横の方からクラクション音が聞こえる。目をやると、さっきのChronopostのお兄さんが、信号待ちの車の中から、ジェスチャーで郵便局の行き方を示してくれている。次の信号を右だよ!という様に。僕たちはありがとうとお兄さんに手を合わせ、手を振った。フランスでは、街中で困っていると皆さん「どうしたのか」「大丈夫か」と助けてくれる。そして、この後も幾度となく皆さんに助けられるのだが、取り敢えず最寄の郵便局は滞在先から15分くらいの所にあった。この距離が後で大きな誤算となる、、。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第51話】BYスタッフE

    海外に来て実感したが、なかなか計画通りに事を運ぶことが難しい。1日があっという間に過ぎる。今日は朝からクリニャンクールへ行き、午後は地下鉄オペラ駅で下車し、オペラ座を背に歩きながら、後ろを振り返りながらの観光で済ませ、クロネコヤマトのオフィスに向かった。オフィスを出た頃にはもう5時近くだった。空腹を感じたが、僕はこういう時にどこかのカフェで休息を取るタイプではない。普段仕事でも、外に出て休憩を取ることがなく、あったとしてもコンビニ前で5分以内だ。それに、パリのメトロは夕方5時を過ぎると満員電車と化す。相方は不服そうだったが、真っ直ぐに滞在先に戻ることを提案して、地下鉄に乗り込む。

    凱旋門近くの滞在先までは1番線一本だった。パリに来てまだ4日目だが、最寄駅を降りると自分のホームグランドの様な安堵感がある。滞在先に着いて、体を休ませて、相方に明日の行動を確認する。この時はまだ、明日から数日、郵便局を往復する日々になるとは想像もしていなかった。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第50話】BYスタッフE

    クリニャンクールの問屋さんでの買い付け時間は、午前中で終了しないといけなかった。しかしこんなに膨大な材料を全て見るには1日あっても足りない。午後からどうしても行かないといけないアポイントメントがあったので、相方にはとても酷だったが、選択と集中をしてもらうことにした。凄い集中力で材料の箱を眺めて、この箱とこの箱というように選んでいく。相方の資材に対するアンテナは高く、自分の好みのビーズをどんどん選んでいく。僕は時計とにらめっこして、後30分だよと声を掛ける。そして午後になり、タイムリミットとなった。お会計の準備をしてもらう間、相方はまだ他の材料を見ている、、。今回は、この予定でしか動けなかったのだから、次回はここをメインで日程を組んで来ようねと相方をなだめる。

    次に僕たちが向かったのは、オペラ界隈にあるクロネコヤマトパリ支店だ。今回は、既に100キロ近い資材を日本に運ばなくてはいけなかった。僕にはそれが気がかりでならなかったので、どの送付方法がベストなのか、送料のみならず、税金面や安全性の問題を解決しておきたかったのだ。そこで送付方法として候補に上がったのが、クロネコヤマトだった。パリオフィスには日本人のスタッフの方がいて、色々と相談に乗ってもらえる。僕たちは事前に状況を話していたので、担当者の方とスムーズに相談ができた。そして、色々検討した結果(ヤマトの方にもアドバイス頂いた結果)、フランスの郵便局を利用することに決めた。日本に資材を送るにあたっては、関税の問題もあるので、フランスから日本の税関に電話をして、郵送時の注意や、帰国後の関税手続きのことを確認した。僕は、こういった電話をする際、必ずお答え頂いた方のお名前を伺っておく。後で、これは違うと言われた時に、〇〇さんからご指示頂いた通りにしたと言えるからだ。

    さて、送る方法もきまり、早速郵便局へ。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第49話】BYスタッフE

    相方が、お店の担当者の方と倉庫の中で資材を見ている間に、僕は施設の周りを探索することにした。まずは施設内から。この日は月曜日ということもあり、閉まっている店も多かった。絵画店、古レコード店、映画に出てくるキャラクターのフィギュアを売る店、古い家具やソファーを売る店、ガラスウェアばかりを売る店、古いものが好きな人には興味をそそられると思う。中には日本の演歌歌手のレコードを置いている店もあった。施設内にはカフェもあり、土日は人でいっぱいだそうだ。散策しているとトイレを見つけた。入ろうとすると、清掃係の方が入り口に椅子を置いて座っていた。横にはテーブルが置いてあり、小銭が置かれていた。これは清掃係の方へのチップだと理解した。用を足した後、置かれていた小銭と同じ位のコイン(0.5ユーロ位だったと思う)を机の上に置いた。すると清掃係の方が、「メルシー」と、低い声で、にっこりともせずに頷いた。清掃婦の貫禄に、思わず会釈した。

    このチップの習慣は、慣れない僕には非常に面倒に感じる。日本では、街中でトイレに行きたいと思ったら、いろんな施設内のトイレが無料で利用できて本当に有難いと思った。もちろんフランスでも、食事をしに入ったカフェやレストランでトイレを借りる際はチップはいらない(たまに清掃婦がいる場合もあるらしいが)。そんなフランスのトイレ事情に、少し日本が恋しく感じた。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第48話】BYスタッフE

    クリニャンクールの蚤の市に到着した。この日は月曜日で、ちょうどパリで展示会などが行われていた時期より少し後だったこともあり、人通りが少なかった。目的の場所は2階建ての施設になっており、中には様々なアンティーク店が並んでいた。

    お店に到着すると、そこは広いスペースに、アクセサリーやボタン、何に使うのかわからないようなパールまで、色々なものが箱にぎっしりとはいって積み重ねられていた。スペースが広く、在庫管理が大変だろうな、、と思った。全ての商品はABC、、と価格によってランク分けされていて、それぞれのセクションで担当者が異なるようだ。なるほど、凄く合理的で解り易い。僕たちには担当者の方が1名付いてくれて別の倉庫に案内された。建物の2階へあがり、電動シャッターが開いたその先には、、驚くほどの素材が床から天井まで箱に入って保管されていた。その多さに驚愕した。相方の様にアクセサリーを作る人にとっては、いつまでも居たい場所なのだろうと思った。さらに驚いたのが、この様な倉庫やスペースが他にもあって、それぞれに別の素材が保管されている。全てを見させてもらうには数日はかかりそうだ、、次回に続く、、。