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    神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第55話】BYスタッフE

    郵便局が閉まる17時までにあと一往復をしておきたいので、相方に箱に詰める作業を急いでもらった。仕分けをしながらの梱包なので、僕は逆に手伝うことができないのが時間のロスだったが、僕はその分、少しでも腕を休めておこうと思った。

    万が一の紛失を考えて、貴重な素材は分散して入れておく事を相方に勧めた。というのも、ヴィンテージビーズの中でも、特に希少価値が高く、高価なのがメタルビーズらしい。これは、フランスの業者でもなかなか入手が困難らしく、そのわけを相方に聞くと、製造されていたのが1900年代前半迄だったそうで、その後は製造しなくなった為だそうだ。僕のような素人でも、相方がそのメタルビーズを使った作品を見たとき、メタルの質感と上品な色は今まで見たことがないと感じた。僕は、相方がこのメタルビーズで作った鳥のブローチが大好きだ。そんな訳で、こういうビーズは、またいつ出会えるか分からないので、可能な限りリスクは分散することが重要だ。

    貴重な素材を分散しながら、3箱分が詰め終わった。時計に目をやると、15:45頃だった。さっそく郵便局に向かった。しかしここで予期せぬ事態に。郵便局までの道すがら3分の1ほどの時点で、信じれないほどの大雨が降り出した。フランスではこうした通り雨が急に降る。2日前もそうだった。僕たちは箱に雨がかからないように、雑貨店の店先で立ち往生していた。水に濡れないようにその雑貨店のハザードで雨宿りをさせてもらう事にした。それでも箱は徐々に濡れていく。このままでは箱がずぶ濡れになる、引き返すべきか…と考えていた時、雑貨店のオーナーらしき年配の男性が店内に入れてくれ、雨が止むまで中で待っていなさいと言ってくれた。この時は本当に、【助かった!】と心から思った。僕達はこのムッシューの親切さに心から感謝しながら、雨が止むのを待った。

    次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第50話】BYスタッフE

    クリニャンクールの問屋さんでの買い付け時間は、午前中で終了しないといけなかった。しかしこんなに膨大な材料を全て見るには1日あっても足りない。午後からどうしても行かないといけないアポイントメントがあったので、相方にはとても酷だったが、選択と集中をしてもらうことにした。凄い集中力で材料の箱を眺めて、この箱とこの箱というように選んでいく。相方の資材に対するアンテナは高く、自分の好みのビーズをどんどん選んでいく。僕は時計とにらめっこして、後30分だよと声を掛ける。そして午後になり、タイムリミットとなった。お会計の準備をしてもらう間、相方はまだ他の材料を見ている、、。今回は、この予定でしか動けなかったのだから、次回はここをメインで日程を組んで来ようねと相方をなだめる。

    次に僕たちが向かったのは、オペラ界隈にあるクロネコヤマトパリ支店だ。今回は、既に100キロ近い資材を日本に運ばなくてはいけなかった。僕にはそれが気がかりでならなかったので、どの送付方法がベストなのか、送料のみならず、税金面や安全性の問題を解決しておきたかったのだ。そこで送付方法として候補に上がったのが、クロネコヤマトだった。パリオフィスには日本人のスタッフの方がいて、色々と相談に乗ってもらえる。僕たちは事前に状況を話していたので、担当者の方とスムーズに相談ができた。そして、色々検討した結果(ヤマトの方にもアドバイス頂いた結果)、フランスの郵便局を利用することに決めた。日本に資材を送るにあたっては、関税の問題もあるので、フランスから日本の税関に電話をして、郵送時の注意や、帰国後の関税手続きのことを確認した。僕は、こういった電話をする際、必ずお答え頂いた方のお名前を伺っておく。後で、これは違うと言われた時に、〇〇さんからご指示頂いた通りにしたと言えるからだ。

    さて、送る方法もきまり、早速郵便局へ。次回に続く、、。