• 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第41話】BYスタッフE

    時間も遅くなり、そろそろ会食も終了かなと思いきや、ご主人にお酒を進めて頂き、この会食がまだまだ続くのだと理解できた。しかし時間も随分遅くなり、帰りの交通機関の事を考えると不安しかなかった。僕の不安をよそに、音楽に合わせて、皆踊り出した。ある人はワイングラスを片手に踊っている。僕にとっては映画の一シーンの様に思えた。帰宅時間が遅くなっているという不安をしばし忘れて、僕はその光景をぼーっと眺めていた。僕はこの様な会で踊った経験がない。このままこうして座っていたら踊りに誘われるかもしれない、、。そう思い、僕はタバコとライター、ポケット灰皿を握りしめて家の門の外に出た。そこには、夕方の鮮やかな光景とはまた違う景色が広がっていた。暗闇の中に、川が流れる音や木々の葉が揺れる音が心地よく聞こえた。僕はしばしタバコをふかして、ぼーっと川の方を眺めていた。

    すると、道路の向こうの方から犬が猛スピードでかけてきた。僕の眼の前を通り過ぎ、反対側へ猛スピードでかけて行く。ん?どこかで見た犬だな、、?あれ?マッジョ(招待客の連れてきた犬)じゃないか!?僕は慌ててマッジョを追いかけたが、彼はもう遥か遠くにかけて行って見えなくなってしまった。僕は友人宅に戻り、マッジョが外を駆け回っていることを告げた。飼い主もご主人も皆、慌ててマッジョを探しに出た。10分位して、遠くの方から猛スピードで戻ってきた時には皆安堵した。そしてようやくその夜の会もお開きとなった。次回に続く、、。

  • 神戸北野【神戸異人館通り】から素材を求めてフランスへ【第37話】BYスタッフE

    結局その日の会食は夜9時半頃に始まった。僕達以外の、招待されていたフランスのご友人達は皆、時間など気にせず、楽しんでおられる様子だ。フランス人は自己主張をしっかりする(車の運転の時は特に)反面、凄く大らかな人達でもあると感じた。相方から聞いたのだが、以前にパリのタイ料理レストランに入った時のこと。凄く美味しいとパリに住む友人に教えてもらって行ったのだが、女性シェフがお一人で切り盛りされていたらしく、料理が出てくるのがとにかく遅いらしかった。相方達は7時頃に店に入り、手の込んだドリンク、そして料理が来たのが9時前だったらしい。そして9時頃に入店してきたフランス人グループがいたそうなのだが、やはり11時近くになってもまだ料理は出てきていなかったそうだ、、。それでもワインを飲みながら楽しそうに話をして待っている(ほぼベロベロだったらしいが)フランス人の大らかさには驚いたそうだ。

    フランス人の気質に関して、もう一つ感じたことがある。それは、フランス人は面倒見が良いということだ。街中でも、困っている人に手を差し伸べるといった光景を何度も見たし、実際に僕達も幾度となく助けられた。親しくなると更に良くしてくれる。

    話は戻って、その夜の会食の席次は、ありがたいことに、僕は招待客として(相方の主人として)、ご主人の横に席をもうけていただいた。日本で言うところの上座である。なかなか体験できないことだ。そして会食が始まった。次回に続く、、。